南方で発達した南派武術と北方で発達した北派武術、その風格や特徴は大きく異なります。どこから北と南に分かれているの?さらに北派と南派それぞれの特徴をご紹介!
中国武術の南北はどこから分かれてる?
※地図は現在の中国
中国大陸は日本のおよそ26倍の国土を持ち、世界でも3番目に大きく面積は約960㎢もあり、人口は14億人を超える大陸です。
中国武術はこの大陸を大きく2つに分けたとき、南方で発達した南派武術と、北方で発達した北派武術に分かれ、大きくその特徴や風格は異なります。それではその南北の分かれ目はどこでしょうか?
上の地図の赤いラインが分かれ目です。それは…
長江!! ※揚子江(Yangtze River)
長江はナイル川、アマゾン川に続き世界で3番目に長い川で全長は6300Kmもあります。想像もつかないですね…
地図を見て長江から上が北、下が南です。
南北武術の特徴
「南派は拳法を、北派は腿法を得意としている」とされています。
その各武術の特徴を表した有名な言葉があります。
南拳北腿
南拳北腿(なんけんほくたい)は、拳法が得意な南派と、腿法が得意な北派の武術の特徴を言い表したものです。
ドシッと構えた足腰で重たい拳を放つのが南派、軽やかに跳躍しスピーディーに翻弄するのが北派武術です。
もちろん南派にも腿法が得意な門派が、北派にも拳法が得意な門派がありますので、大まかな特徴として捉えてくださいね。
南が拳法で北が腿法の理由
ではなぜ南では拳法が、北では腿法が発達したのでしょうか?それは、 風土に基づく地形や移動手段の差にあるのです。
南派武術
中国大陸の南方にはたくさんの河川があるために船での移動が多くあり、
水の揺れで安定しない船の上での戦いに対応するには足腰の安定を重視する必要がありました。
そのため、両脚でしっかりと踏みしめながら戦える拳法が基本となりました。
北派武術
中国大陸の北方には広大な大地が広がり馬車による移動が主でした。
騎馬兵と歩兵が入り乱れ広大な戦場を縦横無尽に駆け回りダイナミックに戦うため、
手よりも長い脚を利用し、高いところにいる騎兵と戦うために軽快な脚技が発達しました。
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